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膠原病・免疫疾患

街並みイラスト
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膠原病ってなに?

膠原病はたくさんの病気の総称です。
膠原病に含まれるたくさんの病気には共通して、なんらかの「①免疫学的異常」により「②体の様々な部位」に「③炎症などの異常」を来すという特徴があります。

この3つの特徴を持つ疾患をまとめて膠原病と言います。(例えば、胃腸炎や肝炎のほかに胃癌や大腸癌をまとめて消化器疾患と呼ぶのと同じです。)

手首をおさえる女性

①何らかの免疫学的異常

免疫、一般的にわかりやすく言うと「抵抗力」と言われることが多いと思います。抵抗力は通常、外敵(細菌、ウイルスなど)から自分の体を守るために存在する“兵隊”のようの存在です。この兵隊が何らかの事情により外敵と間違えて自分自身を攻撃してしまうことがあります。この自分自身への攻撃が異常な免疫反応です。

免疫学的異常の解説図

②体の様々な部位

疾患により障害を受ける部位が異なります。①で述べた免疫反応(兵隊の攻撃)の標的がどこかにより決まります。例えば、関節リウマチ(広い意味で膠原病のひとつ)では関節、筋炎では筋肉、血管炎では主に動脈が異常な免疫による攻撃の対象となります。

③炎症などの異常

炎症は発熱、発赤、痛み、腫れとして体に表われます。しかし、こうした炎症の程度とスピードは疾患により様々です。
主な疾患の炎症の程度とスピード(急性:早い、慢性:ゆっくり)は以下の図の通りです。

主な疾患の炎症の程度とスピードの解説図

膠原病を疑う症状

膠原病には様々な疾患が含まれるため、症状は非常に多彩です。同じ疾患であっても、全く同じ症状というかたはほとんどいません。主な疾患と症状の組み合わせは下の表の通りです。

症状 発熱
倦怠感
関節痛
腫れ
障害部位 全身 関節
関節リウマチ
全身性エリテマトーデス
多発筋炎・皮膚筋炎
全身性強皮症
混合性結合組織病
シェーグレン症候群
血管炎
症状 皮疹 筋肉痛
筋力低下
障害部位 皮膚 筋肉
関節リウマチ
全身性エリテマトーデス
多発筋炎・皮膚筋炎
全身性強皮症
混合性結合組織病
シェーグレン症候群
血管炎
症状 レイノー現象 血尿
尿蛋白
障害部位 末梢血管 腎臓
関節リウマチ
全身性エリテマトーデス
多発筋炎・皮膚筋炎
全身性強皮症
混合性結合組織病
シェーグレン症候群
血管炎
症状 しびれ
まひ
障害部位 神経
関節リウマチ
全身性エリテマトーデス
多発筋炎・皮膚筋炎
全身性強皮症
混合性結合組織病
シェーグレン症候群
血管炎
症状 発熱
倦怠感
関節痛
腫れ
皮疹 筋肉痛
筋力低下
レイノー現象 血尿
尿蛋白
しびれ
マヒ
障害部位 全身 関節 皮膚 筋肉 末梢血管 腎臓 神経
関節リウマチ
全身性エリテマトーデス
多発筋炎・皮膚筋炎
全身性強皮症
混合性結合組織病
シェーグレン症候群
血管炎

膠原病の診断

症状、身体所見、血液・尿検査、画像検査(レントゲン、超音波、CTなど)を用いて総合的に評価します。発症初期には必ずしも疾患の診断基準を満たさず、非専門医には診断が困難な場合もあります。しかし、多くの患者様を診察してきた専門医ほど数少ない手がかりから早期診断・早期治療に結びつけることが可能です。

  • 血液検査装置

    血液検査装置

  • エックス線検査室

    エックス線検査室

  • 超音波エコー装置

    超音波エコー装置

抗核抗体

膠原病の診断によく用いられる血液検査です。
検査の異常値は40倍以上ですが、これでは日本人の3人に1人が陽性となるため、実際には160倍以上を異常値とすることが多くなっています。
〔日本人の健常者における抗核抗体陽性率(Arthritis Rheum. 2004;50:892-900.)〕

カットオフ値 陽性率
40倍 31.7%
80倍 13.3%
160倍 5.0%
320倍 以上 3.3%

膠原病の治療

近年、膠原病の治療はめざましく進歩しています。
10~20年前には治療が難しかった疾患もこうした治療により患者様の病状・生活の質は格段に改善しました。

以前は、「クリニックで膠原病は難しい。」と言われてましたが、最近は専門的なクリニックであれば治療も可能となってきました。しかし、重症度が高い場合には専門医療機関での治療が必要であり、その際には適切な病院へと紹介させて頂きます。

伸びをする女性

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