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甲状腺疾患

街並みイラスト
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甲状腺機能亢進症

甲状腺からは身体の新陳代謝を促す甲状腺ホルモンが分泌されています(採血検査ではFT4やFT3を測定します)。そして、甲状腺ホルモンは脳の下垂体という部分から出る甲状腺刺激ホルモン(TSHといいます)で調整されています。

甲状腺機能亢進症とは、この甲状腺ホルモンが出すぎて働きが強く出る病気です。バセドウ病やグレーブス病とも言われます。

甲状腺機能亢進症のイメージ

甲状腺機能亢進症の症状

多い症状は甲状腺が腫れる、動悸・頻脈、手の震え、汗をかきやすくなる、たくさん食べてもやせる、イライラする、疲れやすい、手足の力が入らなくなる、などの症状です。頻度は少なくなりますが、眼球が飛び出したようになる眼球突出を認める人もいます。
甲状腺機能亢進症は、自己免疫疾患のひとつであり、自分の甲状腺を攻撃してしまう自己抗体(TRAbやTSAbと言われています)がつくられてしまうことで甲状腺ホルモンが多くなりすぎるものがほとんどですが、なぜそのような反応が起こるのか、原因はよくわかっていません。

甲状腺機能亢進症を放置すると、頻脈から心房細動などの不整脈が起こりやすくなり、さらに心臓に負担がかかると心不全に至ります。また、感染や怪我など、身体に様々な負荷がかかりストレスを受けると、甲状腺クリーゼの状態に陥ります。甲状腺クリーゼは致死率が10%以上と報告されており、緊急治療を要する死の危険が切迫した状態を言います。

甲状腺機能低下症

甲状腺からは甲状腺ホルモンが作られ、体の新陳代謝を促す働きをしています。甲状腺ホルモンの産生は下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSHといいます)により調節されています。そして甲状腺ホルモンが少なすぎると、代謝が落ちた症状がでてきます。

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甲状腺機能低下症の症状

無気力、疲労感、むくみ、寒がり、体重増加、動作緩慢、記憶力低下、便秘などがあります。軽度の甲状腺機能低下症では症状や所見に乏しいことも多いです。しかし放置しておくと、傾眠、意識障害をきたし、粘液水腫性昏睡と呼ばれる状態に至ります。
また、甲状腺ホルモンは代謝の調節以外にも妊娠の成立や維持、子供の成長や発達に重要なホルモンであり、甲状腺機能が低下すると月経異常や不妊、流早産や妊娠高血圧症候群などと関連し、胎児や乳児あるいは小児期の成長や発達の遅れとも関連してきます。

甲状腺腫大(甲状腺が腫れること)

以下に示すように様々な原因があります。

甲状腺の一部が腫れる主な原因

甲状腺腫瘍

甲状腺全体が腫れる主な原因

バセドウ病、無痛性甲状腺炎、妊娠初期一過性甲状腺機能亢進症、非自己免疫性甲状腺機能亢進症、TSH産生下垂体腫瘍、橋本病、腺腫様甲状腺腫、単純性甲状腺腫、甲状腺リンパ腫

甲状腺腫大のイメージ

甲状腺が痛みを伴って腫れる原因

亜急性甲状腺炎、急性可能性甲状腺炎、橋本病の急性増悪、甲状腺濾胞内出血

当医院でできる検査・診断

原因を調べるために血液検査や超音波検査などの画像検査、場合によって穿刺吸引細胞診により診断します。(当院では超音波以外の画像検査や穿刺吸引細胞診が必要な場合は甲状腺専門医に紹介します)

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